TOPorLINKFS4トップ>FS4内容

◆89/4/6 富士山総本部
シッシャの心得

 はい、今日はね、君たちに、「修行者と凡夫の違い」について話したいと思う。
 ここに、金持ちの息子がいると。いいか。この金持ちの息子は、黒塗りのね、ベンツに乗っていると。そしていつも、ブランド物の洋服を着て、一流レストランに入っていると。いいか。ここに、いつも破れた衣を着て、そして粗末な食事をし、そして絶えず行動するときは足を使って歩くという若者がいると。一体君たちは、どちらの魂の方が素晴らしいと思うか。どうだ、シッシャ。
(弟子たち)後者です。
(尊師)なぜ後者だ。----正しくは、「評価のしようがない」と。
 なぜ評価のしようがないのかと。例えばね、後者の人が自己を見つめ、自己のカルマを見つめ、自己のカルマを浄化することを絶えず意識しているんだったら、それは後者の方が素晴らしいだろうと。しかし例えば、金持ちの息子がいてベンツに乗り、ブランド物を着、そして高級レストランに入っていると。しかし彼は、例えば、お布施の限りをなし、そして暇があれば瞑想していると。内省していると。どうだ。例えば、一方は、破れた衣をまとい、そして足で歩き、そして粗末な食事をしていると。これは金がないから仕方なくやっていると。どうだ。こういうパターンもあるわけだよね。どうか、それは。で、わたしが何を言いたいかというと、外的な条件によって人を測ることはできないんだよということなんだよ。
 では次だ。ここにすごく綺麗な人がいて、そしてグラマーであると。もう一人ここに女性がいると。この女性はあんまり綺麗ではないと、グラマーでもないと。はい、どっちの女性の方が素晴らしいか、シッシャ。
(弟子たち)評価できません。
(尊師)そうだ、評価し難いと、ね。
 では、もう一ついこう。ここに、大変優秀な学者がいると。この学者はすごく頭が良いと。もう一人ここに、足し算引き算があまりできない人がいると。どちらの方が素晴らしいか。評価できないと。
 では、何によって評価するんだと。何によって良しとするんだと。どうだ、それは。まず、三つの布施をなし、十の戒めを守り、酒を飲まないと。そして強い意志を持ち、修行に専念すると。どうだ。これがわたしたちの評価の材料だよね。どうだ。あとは社会的な条件によって違うよね。どうだ。
 じゃあ、次はどうだ。ここにわたしの弟子が二人いると。一人はブランド物を着、いい食べ物を食べ、そしていい布団に寝ていると。そして、周りは電気製品がたくさんあると。一方、こちらの修行者は一切雑誌とかそういうものは読まないで、粗末な衣をまとい、粗末ってもう現代に粗末ってないけども、要するにシッシャの服を着、そしてオウム食を一食食べ、ね、そして暇があれば『マハーヤーナ』を含めた教学をしていると。そして人に絶えず親切な心を持ち、救済を意識していると。どちらの方が素晴らしいか。
(弟子たち)後者です。
(尊師)そのとおりだ。そして、君たちはそのような目で----そのような目というのは何かというと、法を根本として絶えず見つめる、ね、すべてのものを見つめる訓練をしなければならない。そしてすべてのものを、そのようにきちんと見つめることができるようになったならば、君たちの心は少しずつ少しずつ、霧が晴れるように晴れてくるだろうと。
 じゃあ、次行こう。ここに、大変仕事のできるシッシャがいると、ね。この人はしかし、法を学ばうとしないと、ね。もう一つ、一生懸命努力はしているんだけど、あまり仕事はできないと。しかし一生懸命努力していると。そして一生懸命教学し、法を学び、瞑想しようとしていると。はい、どちらのシッシャが正しいんだ。
(弟子たち)後者です。
(尊師)そして、そのように見るならば、君たちは、決して君たちの心の中にあるね、悪魔というものに取り憑かれないで済むだろうと。そして、君たちが交わらなければならないものは、清らかな水であると。清らかな友であると。聖なる友であると。いいかな。
 じゃあ、ここに大師がいると、ね。二人の大師がいると、一人は、絶えず無駄口をたたき、煩悩的な話をし、そして話していると面白いと、綺語で。もう一つ、こちらの大師は、君たちが困ったときは絶えず側にいるんだけども、普段はあまり接しないと。そして、話すと法の話をすると。少し緊張はするけども、法の話をすると。そして、真理にのっとった指導をしてくれると。どちらが正しいんだ。
(弟子たち)後者です。
(尊師)そして君たちは、どちらの大師にまみえれば君たちは修行が進み、どちらの大師にまみえれば君たちは堕落するんだ。
(弟子たち)後者です。
(尊師)そのとおりだ。そして、そのように見、そのように実践する人は、修行が進むだろうと。
 じゃ、はい次。ここにシッシャがいると、ね。このシッシャが、「あまりわたしはワークをやりたくないんですよ」と言っていると。で、ここで二人の大師が通り過ぎていくと。Aの大師は、「あ、そうか、やりたくないのかと。まあそういう時期もあるから、それは放ったらかしなさい」と、ね。Bの大師はそこで、「それはまずいよ」と。「今あなたのなしているワークは、功徳にもつながるし、忍辱の修行にもつながるし、精進の修行にもつながるんだ」と。「だから限界までやりなさい」と。「ぶっ倒れてもいいからやりなさい」と。「そして、それが今生で、高い成就をするための条件なんだよ」と話してくれたと。どっちが正しい。
(弟子たち)後者です。
(尊師)そして、前者にまみえている人はどうなる。そして、一生で解脱しないかもしれないと。ところが後者にまみえている人は、一生で高い成就まで導かれると、ね。
 じゃ、次行こう。ここにシッシャがいると、ね。で、このシッシャに対して、「いや、実は自分は情で引っかかっているんだ」と。「それは異性に対する情と、それから父母に対する情で引っかかっているんだ」と。ここに二人の大師が近づいてくると。いいか。
 で、Aという大師は、「そうか」と。「実は自分も、ね、そういう時期があったんだ」と。「それは放っておきゃ何とかなるよ」と。「耐えなさいね」と指導していったと。
 Bという大師がここに近づいてきて、Bという大師はそのシッシャに対して、ね、「情の執着というものは、ね、これこれこういう意味でマイナスになる」と。「そしてそれは、こういう方法があって、こういうふうに切りなさい」と。「切れなくてもそれは努力すべきである」と。「そして、今あなた方が引っかかっているのは低い次元の話であって、そういうものに引っかかっているとなかなか修行は進まないよ」と。「それどころか、特にシッシャが増えているから成就だっておぼつかないよ」という話をすると。「だからそれは叩きつぶしなさいと、その情を。」と。
 さあ、Aという大師、Bという大師、どちらにまみえたら修行が進むと思うか。
(弟子たち)Bという大師。
(尊師)そうだね。そして、Aという大師にまみえたらどうなる。
(弟子たち)修行が進まない。
(尊師)そのとおりだね。Bという大師にまみえたら?
(弟子たち)修行が進む。
(尊師)いいかな。このように見、このように実践する者は、必ず早い時期に成就すると。そして、成就をするしないは、すべてがカルマであると。
 では一体、シッシャはどのようなカルマを作ったらいいんだと。例えば仲間がここにいると。情で引っかかっているとしようと。その者に対しては、どのような話し方をすればいいかと、ね。当然、今言ったとおり、一生懸命教学を自分はしておいて、情で引っかかったときは、「それはこうこうこういうようなマイナス材料になるから、それを早く乗り越えなさい」と。もしわからなければ、大師にそれを相談して聞いて、その方法を伝授してあげると、ね。
 あるいは、いいかな、ここに破戒している者がいると。戒を破っている者がいると。そうすると、戒を破っている者がいたらね、「その戒を破るということは、このようなマイナス材料があるんだ」と。そして、「それはこのようにすれば脱却できるんだ」と。そして、「このようにしなかったら、あなたは三悪趣に落ちますよ」と。そしてそのように指導する者は、ね、どうなる。そのカルマによって、同じように厳しい大師と縁ができ、そして成就が早くなるということになるね。
 では、どのような心構えを持っていたらそうなるんだと。どうだ。「わたしはシッシャになった」と。「わたしは、わたしの中に最高の功徳があったからシッシャになれたんだ」と。「わたしは、今生で高い成就ができる可能性を得たんだ」と。「なんて素晴らしいんだろう」と。「わたしの目の前にあるワークは、普通の仕事とは違う」と。「これは救済活動のお手伝いなんだ」と。そして、「この救済活動をするということは、自分自身が救済されるための最も早い道なんだ」と。「ここでできるだけの修行をしよう」と、ね。
 苦しみが出てきたときは、「わたしは、今このような苦しみで苦しんでいる」と。「しかしその苦しみというものは、未来において経験しなければならない苦しみである。そして、自分自身は真理というものを背景に、その未来において経験しなければならない苦しみに、今没入している」と。「よって、わたしはつぶれることはない」と。「そして、真理というものを背景に、未来において生じる苦しみを取り除こうとしているわけだから、最高の幸せである」と、そう考えるシッシャはどうなる。当然、成就が早いよね。
 じゃあ、もう一方はこうだ。「あー、なんてつらいところへ来たんだ。あー、つらいなあ。現世の仕事と少しも変わらないなあ」とね。こう考えたシッシャはどうなる。「外でうまい物があるから食おうか」と。どうだ。当然、つぶれる可能性が出てくるよね。シッシャは理解できているか」今のわたしの話は。速すぎるか、どうだ。
 そのように考え、そのように実践すれば、君たちのステージはどんどん上がっていくだろうと、ね。そして、できるだけ素晴らしい大師との縁を結びなさい。そして、わたしとの縁を結ぶようにしなさい。それが君たちが最も早く成就する道であると。いいね。