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◆91/1/16 富士山総本部
六道のカルマの現われ/六神通の定義

 修行を続けていくと、いろんな現象が起きる。例えば、肛門が落ちるような感じ、あるいは痔。あるいは性器から精液が漏れたり、おしっこが漏れたりする現象。あるいは、お腹がえぐられるような感じになる。あるいは、胸が詰まり、咳が出てくる。あるいは喉が腫れ上がる、等である。これらの現象は、何を表わしてるかというと、その人が次の生、どの世界へ生まれ変わるかという現象を表わしている。
 例えば例を挙げるならば、修行中、肛門が落ちる。あるいは痔、といったような現象が起きるとするならば、その人は、アパーナ気の最も汚れた部分優位、つまり地獄へ転生するカルマが強いということになる。同じように、性器からおしっこが漏れる、あるいは精液が漏れるといったような現象は、これは、次の生、動物界へ転生するカルマが強いということになる。あるいは、へその部分がえぐられる、等の現象、これは、餓鬼界へ生まれ変わる可能性が強いということになる。同じように、胸の苦しみ、咳、あるいは喉の痛みといったものは、人間、あるいは憤怒天に、へと生まれ変わる現象を表わしてると言える。
 特に、修行が進んでくればくるほど、深い意識状態へと没入する。ある者は、そこで修行ができなくなると。そして、現世の楽しみに心が奪われると。これは間違いなく、来世動物界へ生まれ変わる現象である。あるいは、嫌悪の情が出、一人で生活したいと、一人になりたいと考える。これは明らかに、地獄の世界へ生まれ変わる現象である。あるいは、ひたすら食べたい、食べたい、食べたいと貪ると。これは、餓鬼界へ転生するプロセスということになる。あるいは、成就できないことに対して卑屈になり、あるいは、同じ修行者に対してライバル意識を持つと。これは人間界、あるいは憤怒天へと転生する因となる。あるいは、忘我の境地に没入し、黄金色の光に包まれ、その状態を満悦すると。これは戯忘天界へと転生することを示す。
 では一体、これらの現象に対して、どのようにわたしたちは、アプローチしなければならないのだろうか。例えば、脱肛、痔、あるいは嫌悪といった、地獄のカルマについては、『預流相応』を徹底的に読み、そして預流者としての自覚を持ち、経典を何度も何度も繰り返し読みながら、自己の内側に内在している嫌悪、あるいは、他を完全に死滅させたいという、殺生の意識というものを止めるべきである。
 では、二番目の動物のカルマについてはどうだろうかというと、これについては、まず、何が真理で何が真理でないかということを検討し、そして考えるタイムスケール、つまり時間軸というものを長くとり、どちらの方が自己に利益を与えるかを考え、そして教学、教学にのっとり考えるということが必要となってくる。
 三番目の餓鬼のカルマを切るためには、これは、例えば業財を持ってる者は業財をできるだけ布施する実践を行なう。持ってない者は、食事のときに、心からグルとシヴァ大神に供養しながら、ゆっくりかみしめて、その味わいを供養するという修行をすることが最もよろしい。
 では四番目のプライド、プライドによる卑屈さ、これについてはどうだろうかと。これについては、まあ一応上分結だから、あなた方のレベルにおいてはそんなに問題ないが、結局、一つの壁であると、これを認識すべきである。つまり、この人間界のところで結び″ができ、管がそこで詰まってしまうと、それ以上高い世界へ生まれ変わらないということになるから、その人は、三悪趣プラスワンといった転生になるだろう。
 では、憤怒天の世界はどうかというと、これは、中、つまり、真ん中の道を通ってないから起きる現象であって、自分自身の修行が、左へ傾いてるのか、あるいは右に傾いてるのかを、しっかりと認識すべきである。要するに、右道的な修行を志し、成就する場合、耳からプラーナが抜け、憤怒天へ生まれ変わる。あるいは、タントリック、左道タントリックの修行をする場合、左の気道からプラーナが抜け、同じようにやっぱ憤怒天へ生まれ変わるという現象がある。ここら辺をしっかり認識し、つぶし、中なる道、つまりスシュムナーにプラーナを注ぎ込むように努力すべきである。
 このためには、教義をしっかり学び、それを理解し、自己に合わせて考え、そして実践するといったことが必要である。
 例えば、わたしは瞑想十何時間やってるんだけど、結果が出ませんという人がいる。しかしその人は、確かに修行時間は十何時間、とられているけども、途中でボーッとしたり、あるいは会話を楽しんだり、あるいは心がグルに向かわず食い物に向かったり、いろんな現象が起きてる。これではなかなか成就するものではない。
 よって、これから、自分自身の現象を正確に見つめ、どのポイントで詰まってるかを認識し、それを取り除く修行を徹底的に行なうことにより、乗り越えられるはずである。
 例えばここに、やかんの中に水が入っていて、それを火にかけていたと。当然、ほっとけば沸騰するはずである。ところがその蓋を開け、その水の中に氷を少しずつ入れ、その一部を抜いてったとしようと。もし、火の火力と、氷の、熱を奪う力とが同じであるならば、永遠にその水の温度は一定であるということになる。
 これからもわかるとおり、今あなた方のやっている修行は、あなた方を、地元素の意識状態から水元素の意識状態へ、水元素の意識状態から火元素の意識状態へ、火元素の意識状態から風元素の意識状態へ、風元素の意識状態から空元素の意識状態へと導くものである。
 では一体、どのようにしたら、速やかに解脱をするのかと。これはまず、自己の身・口・意に対して、心からザンゲをする訓練をすべきである。そして、先程も述べたとおり、例えば食事についての供養、例えば言葉、これを神々と同じように、綺麗で丁寧な言葉を語る訓練、あるいは心の働きにおいて、早くみんなが成就してほしいな、早くすべての魂が成就してほしいなと願う心を培う。あるいは行為においても、必要のない行為を一切避け、ただ集中し続けて行為を行なうといったような実践を加味するならば、必ずや、ここにいるすべての者たちが、ラージャ・ヨーガ、クンダリニー・ヨーガへと到達するであろう。
 人は死ぬ。必ず死ぬ。絶対死ぬ。死は避けらんない。よって、今、ここで修行している者たちは早くその境地を体得すべきである。
 それからここで一つ、修正しておかなきゃならないことがある。それは仏教観でいわれている六神通の、天眼・天耳・他心・漏尽・宿命・神足といわれてるものは、パーリ仏典を調べてわかったことだが正しくないと。
 正確に六神通をあげるならば、まず第一ステージは、化生身を得るステージと----化生とは、化ける、生まれる、身体ね----ステージということになる。これは変化身を含めて、最解的には五つの身体を得ることになる。その途中の段階で四つの身体を得ることになる。四つの身体を得る前には四つの意識状態を経験することになると。これが第一ステージである。
 第二ステージは天耳通。これは、ナーダ音から入り、神々と会話のできる状態になると、到達すると。第三ステージは、他心通である。この他心通というのは、単にヴァイブレーションを感じるだけではなく、相手の心を視覚的に、つまり目によって、心の目によって見るステージであると。
 第四番目の神通は、宿命智である。これはもうみんなも知ってるとおり、輪廻転生、自分自身の輪廻転生をね、知る力であると。
 五番目の神通は何かというと、これは死生智であると。これは、バルドを自由に行き来できる神通力ということになる。ここを天眼ではなく、バルドを自由に行き来できる力というふうに認識した方が正しい。
 第六番目は、漏尽であると。この漏尽については、相手がいつ、要するに解脱するかを含めて、三界を見渡す力ということになる。
 よって、このほかの神通力、例えば透視能力その他については、その前の段階でいろいろとついてきたとしても、それ当然であると。仏教の最終的神通力がこの六つであり、そのほかに付属する神通力は無数にあると考えるべきである。
 そしてあなた方が仏陀へ到達していく段階において、この神秘的な力が必ず備わるであろう。
 それからね、最後に言っときたいのは、わたしは、見ないで、こういう話をしてるのではない。あるいは知らないで、こういう話をしてるのではない。本を読んだだけでこういう話をしてるのではない。すべて見、聞き、経験し、君たちに話してるんだ。わかるな。