マイトレーヤ正大師特別寄稿 第29回
ステージの昇格にあたって

 人は必ず進化する。努力をすれば進化する。それがカルマの法則である。
 正しく真理を実践する者、それを正しく称賛することは、正語の実践である。
 
 教団ではここ数年間、ステージの昇降が行なわれてきませんでしたが、このたび、新しい時代、21世紀、アクエリアスの時代の始まりにあたって、ステージの昇格を敢行することを決意しました。
 
 一切は無常ですから、人のステージは変わります。努力し向上している人に、救済活動における権限を含めた、より高いステージを与えることは、教団として当然の真理の実践です。正しい称賛、聖称賛の実践です。
 グルがいない中、教えをコツコツ実践し、精神的にも霊的にも変化した人が少なくありません。その人たちにまず聖称賛の実践をし、共に喜びたいと思います。大変素晴らしいことです。
 
 そして、「尊師がいないから修行が進まない」という妄語(うそ)が蔓延(まんえん)する時代は終わります。それは、修行を進めるだけの努力をしていなかっただけであることがわかります。率直に言いますが、そういう妄語を吐き続け、努力しない人は、尊師がいても成就することなど決してありません。
 
 そして、努力は誰にでも出来ます。「努力ができない」などと嘘を言う人は、本当はまだ努力する必要性がわかっていないだけのことを知るべきです。努力することが幸福に至る道であり、今の楽を求めることが将来の苦につながるという、真理の法則を十分に記憶修習せず、無智に覆われているだけだと知るべきです。
 また、そういう人は、今回の昇格システムを含む、聖なるサンガの仕組みをしっかりと使って、法友と励まし合いながら、努力すべきでしょう。
 
 人は必ず進化します。努力によって進化します。過去の「経験の構成」にとらわれ、自分の進化について否定的になったり、卑屈になるのは、意識堕落天の悪いカルマです。その裏には、努力を嫌がる、怠惰な心があるだけです。
 しかし、その意識堕落天のカルマも無常です。カルマとは無常です。教団の意識堕落天のカルマも無常です。
 それが崩壊するときが、今、来たのだとわたしは獅子吼します。
 全力で、努力を始めましょう。人生は短いのですから。
 ステージが上がった法友への嫉妬は捨断しましょう。貴方も、法友も必ず進化します。努力によって進化します。法友のステージが上がることを心から願いましょう。
 嫉妬などするならば、そのカルマによって、自分の進化にも否定的になります。他の進化の可能性を否定し、他の幸福を嫌う者(嫉妬する者)は、自分の進化しようとするときも否定的になります。その結果進化せず、自分が卑屈になり、自己を嫌悪することになります。こうして、自他の向上を願い、他人への嫉妬、嫌悪と、自分への卑屈・嫌悪を捨断しましょう。
 
 これは秘儀でもあります。他人を愛し、その向上を願う人は、自分も向上し、自己を嫌悪することはなくなりますが、他人を嫉妬し、その幸福を嫌悪し、向上を妨害する人は、自分も向上できず、自己を嫌悪することになります。
 自分と他人は、共に上向するか、下向するしかありません。
 また、他人を愛する人は自分も愛せますが、他人を嫌悪する人は自分も嫌悪せざるを得なくなります。
 
 ステージが上がった人は、慢に気を付けましょう。そして、賛嘆の実践をしましょう。わかりやすく言うと、感謝の実践です。さもなくば、法友に嫉妬されたり、闘争することになるでしょう。
 あなた方が昇格したのは、あなた方が積むことのできた功徳の力によるものですが、勘違いしてはいけないことは、そうできたのは、あなた方のみの力によるものでは決してないということです。
 まず、功徳の実践の教えを与えてくださった覚者方に感謝し、賛嘆しましょう。そして、大切なことですが、あなたが功徳を積む上で、多くの法友、多くの人々の協力が絶対必要だったはずです。人は一人では何もできませんし、生きていくことすらできません。ですから、貴方が功徳を積めたことについて、協力してくれた多くの法友、人々に感謝しましょう。自分よりステージの上の人、同じ人、下の人、すべての人があなたに協力しました。
 そして、これらの感謝に基づき、与えられたステージを生かして、法友に利益を還元しましょう。与えられたステージ・権限は、法友に恩返しし、三宝に恩返しをするためのものです。与えられたのだから、今度はあなた方が与える番です。こうすれば、皆が引き上げられるでしょう。

 しかし、これらの点を心がけなければどうなるでしょうか。
 まず、「自分」が功徳を積んだと錯覚し、「自分は偉い」という慢に陥ります。自分が偉いと思うと、「成功したのは、積んだ功徳によるものではなく、自分が偉いからだ」と錯覚します。その結果、功徳は無常で、積み続けなければいけないのに、そうせずに、油断したり、怠惰になって、落下していきます。
 また、周りの人には利益を還元しないから、嫉妬されるでしょう。そして、以前のように協力してくれなくなり、徳が積めなくなるでしょう。それどころか、本来感謝すべき協力者であった、同じステージの人や上の人と闘争をし、ますます徳を減らしていくでしょう。
 ですから、賛嘆の実践し、そして、慈愛の実践で、利益を他に還元しましょう。
 
 最後に、今回昇格となった方々を心から称賛します。
 彼らの功徳がすべての魂の煩悩破壊につながりますように。
 彼らを導いたすべての覚者方に感謝致します。
 すべてのサマナを覚醒へと導いてくださいますように。