マイトレーヤ元正大師の特別寄稿

第23回 健康と有身謬見



 教団でサマナの超健康体を養成するために、健康チェック、AI、健康センター、お供物・食品の改善といった取り組みをしてきたのですが、その中で当初から懸念されていたことがあり、今回はそれについて皆さんにお話ししておきたいと思います。

 もともと、修行者は、肉体に対する執着を捨てねばなりません。もともと、肉体は自我の一部であり、高い世界に行くには肉体執着を切らなければなりません。サマディに入る際も肉体執着は邪魔になります。
 ただ、それだけではなく、肉体への執着が強いと、かえって不健康になることがあるのです。
 病は気からというように、病気は、その人の気持ち、心の働きが大きく影響します。つまり、悪い心の働きが、ナーディーの詰まりをつくり、気の流れが滞り、そこに病気が発生する流れになっているわけです。ですから、病気とはまさに、気の病、すなわちルン・トラブルと言うこともできます。

 そして、体に執着すればするほど、いろいろな煩悩が増大し、愛著、邪悪心、迷妄が増大します。体のことを心配すればするほど、ストレスが増大し、腎臓、肝臓、胃といった消化器官を痛めますし、エネルギーを消耗してしまいます。説法にも、心は体への執着が負担となっており、体は心から執着されることが負担となっているというものがあります。
 ですから、病気になったときも、その原因となるカルマを分析し理解し、適切な修行、治療を淡々とこなすのが望ましいのですが、人は往々にして、あれやこれや、気に病み、悩みます。それらの悩みは、治療に対して逆効果があります。

 聞くところによると、人によっては健康の問題に関連して、いろいろな不満・嫌悪を他人に抱いているようです。教団としては、サマナの健康増進には気を配るつもりですが、サマナ側が、体に意識が行き過ぎ、肉体執着を募らせ、それを原因として、愛著、邪悪心などを生起させれば、かえって、健康を害してしまいます(健康状態が悪化したように感じます)。
 そこで、健康を害している人は、そもそも病気の原因は、悪い心の働き、カルマにあるのだという認識が必要です。そうでないと、いくらいろいろな治療をしても、心の働き、カルマという根本原因が変わらず、治療を止めれば、また元に戻りかねません。

 これは食養についても言うことができます。食養に頼り切り、修行を共に行なわないと、カルマを変えることは難しいと思います。食養をやめれば病状が再発します。
 ある正悟師も、カルマの浄化で療養した後、体のことを気にすると、かえって調子が悪くなるとおっしゃっています。

 また、ある在家信徒さんは、師の方にいろいろな修行法を習い、病気を治そうとしたのですが、なかなか実行できず、思い悩んでいました。そこで、わたしは、「体のことは忘れてしまっ(て修行し続け)たらどうですか」とアドバイスしたのですが、すると、その信徒さんも「そうした方が自分でも調子がいいように思う」と言っていました。

 わたしは健康に注意するなと言っているのではありません。自分の体の状態はカルマを証智する材料ですから、悪い部分があったらチェックするのは一つの修行だと思います。
 しかし、カルマを証智し、淡々と必要な修行をするべきであって、あれやこれや悩んでも全く利益はないということです。悩むのは肉体執着が強いからでしょう。それには気を付けなくてはなりません。ましてや、嫌悪には気を付けなくてはなりません。嫌悪が強い人は、ムーラダーラやスーリヤを痛め、それによって病弱になりがちですから。

 また、サマナの健康状態については、客観的なデータはあまり多くありませんが、最近調べた血圧のデータは一般人と比べて特に高血圧において、非常に優れていました。また、サマナが一般人に比べて若く見えるというのはよく言われることです。

 高血圧が少なく、心臓病や脳血管障害という、一般的な日本人の死因となる病気については、一般人よりも患いにくいと言うことができるのではないかと思います。

 皆さん、真理に確信を持って修行しましょう。


 サマナ246人について調べたところ、

 男性110人のうち、

1 低血圧(最高血圧90未満)はなし(0%)。一般人男性の場合は、平均0.1%、30代男性は0.3%

2 低血圧傾向(最高血圧100未満と最低血圧60未満)は2人(1.8%)。

3 境界域高血圧(最高血圧140から160、ないし最低血圧90から95)は2人(1.8%)。一般人男性の場合は平均25.3%とサマナよりはるかに高い。30代男性は16%。

4 高血圧(最高血圧160以上、最低血圧95以上)は1人(0.9%)。一般人男性の場合は、平均は19.8%。30代男性は8.6%とサマナよりはるかに高い。

 女性136人のうち

1 低血圧(最高血圧90未満)は1人(0.7%)。一般人女性の場合は平均0.3%、30代女性は0.5%。

2 低血圧傾向(最高血圧100未満と最低血圧60未満)は19人(14%)。

3 境界域高血圧(最高血圧140から160、ないし最低血圧90から95)は1人(0.7%)。一般人女性の場合は平均20.2%、30代女性は4.9%とサマナよりずっと高い。

4 高血圧(最高血圧160以上、最低血圧95以上)は1人(0.7%)。一般人女性の場合は平均14.7%、30代女性は1.3%。


 低血圧は一般人、サマナともに日本人は少ないのですが、高血圧については、男性でも女性でもサマナの方がずっと数字が良いように思います。