マイトレーヤ元正大師の特別寄稿

第14回 アクエリアスの時代に向かって進もう


 21世紀を支える宗教とはどのような宗教なのでしょうか。わたしは、自分が理系であったことや、キリスト・イニシエーションの際に見たヴィジョンなどから、次に引用する尊師の説法に未来宗教のヴィジョンを見いだしてきました。

 もともとこのアクエリアスの時代――この主星、例えば天王星、この星が意味するものは何かというと、これは科学・発明・発見なのである。

 つまり、宗教と科学が合一しない限り、その宗教において、エネルギーの循環、および意識の移し変えが存在し、しかもそれが完璧なまでに科学的な宗教でない限り、この時代を支えることはできないのである。それは先程述べた宇宙のエネルギー、天体のエネルギーから、自分たちの小宇宙、つまりこの人体にエネルギーを受けるとき、その天体の特性をしっかり理解し、そして完全にオーバーラップさせた者のみが残り、そしてそれが主流となり、衆生を救済することになる。

 確かにチベット仏教は素晴らしい精神科学を有している。しかし、次の時代のアクエリアスは、この現代科学を超えた科学でなければならないのである。しかもそれでいて、先程述べた神々の意識状態を、ツァンダリーやポワ(意識の移し変え)の瞑想によって有さなければならないのである。


(94/8/21 第4サティアン FS3−P217)


 ここにあることをまとめれば、21世紀を支えるためには、チベット密教のような伝統宗派の伝統的修行法だけではだめで、 アクエリアス、天王星に象徴される、科学と宗教の合一が必要だと言うことができます。そこでわたしなりに、オウム・アレフにおいて、どのように宗教と科学を合一させていくべきかについて、考えていることをお話ししたいと思います。
 
 まず、解脱のプロセス(クンダリニー・ヨーガ)、霊性の開発に関して、科学技術を応用したイニシエーションを広範に用いることが考えられます。

 既に光音天でのアストラル・テレポーターによる、火のイニシエーションや音のイニシエーションが効果を上げています。そして、以下のイニシエーションについて今月から充実させていくことを提案したいと思います。その主旨は「全教団を光音天にしたい」ということです。

1)甘露水イニシエーションの改善
 甘露水イニシエーションの量と質(修法時間の長さ)を共に改善し、きちっと修行している人に計画的に伝授する。

2)音のイニシエーションの活用拡大
 光音天3階の改善のため、音のイニシエーション用の音響システムを最高品質の物に入れ替えたが、今後さらに、上九の修法室にあった、最高のエネルギーを発している法具の一部を移すなどして、真に究極の高エネルギー空間を目指す。また、その他重要な道場を音のイニシエーションで定期的に浄化する。

3)火のイニシエーションの拡大
 火元素を消耗しやすい重要な部署から順次、火のイニシエーションのシステムを配置する。

4)秘儀マントラによる生活空間の浄化
 秘技マントラ・テープとプレーヤーを全住居に配布し、24時間マントラ修法を行なえるようにする。

5)ビデオイニシエーションの普及
 イニシエーションのビデオ、デッキを広範に配布し、ビデオによるイニシエーションを充実させる。

6)パーフェクト・サーヴェーション・イニシエーションの改善
 携帯版より強く安定性の高い、10Vのパーフェクト・サーヴェーション・イニシエーションをより小型にして増産し、必要な所に配布する。

7)祭壇その他の設置
 祭壇作りに必要なもの、修法されたマンダラなどを配布するなどして、道場・生活空間の宗教的美化を進める。

8)供物の修法室のさらなる浄化
 上九の修法室の法具を一部移転し、音のイニシエーションでも浄化する。

9)有害物質などの除去
 新設の生活健康部により、全住居の空気清浄、浄水、電磁波対策を進める。

 ただし、このようなイニシエーションの拡大は、日ごろの功徳や修行の実践に見合ったものでなければなりませんから、今後は一人一人の努力に応じたイニシエーションを伝授する形にせざるを得ないと思います。ですから、今のうちから、自分自身を叱咤し、甘えや堕落の心を取り除き、イニシエーションへの準備に努めていただきたいと思います。

 次に、悟りのプロセス、すなわち精神的なヨーガについて、どのように科学を活用していくかですが、これについては、まず、正しい思索を阻む教義についての疑念を取り除くために、真理の法則の正しさを証明する科学的知識を活用したいと思います。

 現代人である我々は、基本的に科学信仰が強く、輪廻転生やカルマの法則といった基本教義や、ヨーガ・仏教の修行を十分に体得できない理由の一つとして、学校で習う常識的な科学的知識の中には、その正しさ、効果が全く教えられていないことがあります。しかし、最新の科学的発見は、真理の法則を証明する傾向が強く、それを真理の法則を確信するために使うことができると考えています。

 また、今後は科学と宗教が融合した仏教の理想郷シャンバラと同じように、心理学・哲学の研究が、修行をサポートすることになると考えています。

 悟りの修行というのは、潜在意識へのアプローチとそのデータの入れ替えですから、心理学に深く関わってきますので、尊師も心理学の研究が必要であるとおっしゃっていたことがあります。もともとヨーガ根本経典の『ヨーガ・スートラ』にはサーンキャ心理学という言葉があるくらい、仏教・ヨーガの修行は心理学と近いものがあります。

 哲学については、人生観や社会観などに関係しますが、これは、理想の未来社会のヴィジョンなど、救済活動に深く関わっている事柄だと思います。そして、事件のために傷付いた、教団の社会的な意味合い、未来ヴィジョンの再確立に関係しています。さらに、世俗に落ちず、出家教団にとどまる上で、大きな精神的な支えになると思います。

 説明が抽象的でわかりにくいと思いますが、具体的な形で現われてくるのをしばらくお待ちいただきたいと思います。そして、この視点を活用し、心のプロセス・悟りを深めることのできる集中セミナーを行なえないかということも考えています。

 第3に、救済活動を飛躍的に効率よくするために、高度情報通信技術を広範に取り入れることが考えられます。

 21世紀の組織は、未来社会を予測した書物によると、コンピューター、インターネットなどをフル活用したものとなり、サイバー空間をいかに活用するかが成功のポイントだといわれています。この点、オウム・アレフは多くのコンピューターのソフト・ハードの技術者が豊富で、21世紀に予想される、いわゆる「サイバー教団」としての資質は他に抜きんでていると考えています。

 この一例として、師・正悟師の説法を迅速に全国のサマナに伝えることのできる、「サマナ用ホームページ」があることはご存じのとおりですが、今後の提案としては、電話会議システムの導入があります。通常の電話による1対1の会話ではなく、多数の人が電話を使って会議ができるシステムです。これによって、遠隔の説法・質疑応答・会議を行なうことができるようになるでしょう。物理的に離れたサマナが、普通の電話料金で行なうことができるようにする計画です。この延長上に、テレビ電話会議システムがあります。

 また、教団内メディアの充実も進めることができます。既に開始された、サマナのホームページの普及と内容の充実を進める以外に、信徒用のホームページもつくることができます。また、パソコンを持っていない人、使えない人にも、携帯電話である程度の情報を得ることのできるシステムも検討しています。また、教団内の生テレビ放送システムも実験段階に入っており、説法や全体会合のための生中継ができるようになるでしょう。

 これらのシステムは、すべて今年の夏前までには稼働させることができると思います。これによって真理の情報の伝達・交換が飛躍的にスムーズになり、救済活動のお手伝いがしやすくなると思います。

 皆さん、アクエリアスの時代、アクエリアスの教団を目指してがんばりましょう。